債務整理で自己破産を選択した人が財産隠しをするとどうなる?罪になるの?

借金を返済できなくなった人が最後の手段として選ぶ債務整理。

しかし債務整理を行うと、方針によっては財産を奪われてしまうことがあります。

このような事態を想定し、「少しくらい自分の財産を隠してもバレないのでは?」と考える人も少なくありません。

そこで今回は、債務整理で自己破産を選択した人が、財産隠しをするとどうなるのかについてご紹介します。

財産隠しをすると自己破産が許可されない可能性が高い

そもそも自己破産とは、借金の返済が免責される債務整理の手続きです。

裁判所に申立てを行い許可されると、借金をしている債権者に対して、支払い義務がなくなるんですね。

しかし、この方法を選択する場合には、一定の財産を失うことが条件です。

破産開始後に取得した財産や、99万円以下の現金、さらに差し押さえが禁止されている財産に関しては、自由財産として認められるため、これ以外の財産を失うことになります。

自分が所有している土地や建物、車やバイクに関しても処分の対象です。

このような財産を失ったとしても自己破産する必要がある人は、申立て手続きを行うことにより借金をゼロにすることができます。

ただし、財産を隠してしまった人は、自己破産の許可が降りない「免責不許可事由」に該当するため、裁判所から棄却されてしまう可能性が高いんですね。

自己破産手続きをしたくても、財産を隠したことによって、できなくなる可能性が出てきます。

財産隠しは刑事罰の対象になる

自己破産において財産隠しを行い、それが判明してしまった際には、「詐欺破産罪」に該当します。

詐欺破産罪が該当してしまうと、逮捕されるだけでなく、次のような懲罰が待ち構えているんですね。

・10年以下の懲役
・1,000万円以下の罰金

これらの懲罰はいずれか一方ではなく、両方が該当してしまう可能性もあります。

詐欺破産罪が成立すると、極めて重い処分が下されるかもしれないと認識しておきましょう。

自己破産で財産隠しがバレない方法はない

財産隠しは、どのような方法を選択したとしてもバレてしまいます。

自己破産手続きを行うと、裁判所から「破産管財人」が選任される形となり、財産が徹底的に調査されるからです。

預金口座の取引照会はもちろんですが、郵便物等の細かいものもすべてチェックされるため、おかしな動きがあれば、すぐに判明してしまうんですね。

財産を残した形で借金の整理を行いたい場合には、自己破産以外の財産を残せる債務整理方法を視野に入れるべきでしょう。

財産を残したい人は任意整理と個人再生がある

財産を残した形で債務整理をしたいのであれば、「任意整理」もしくは「個人再生」といった方法があります。

こちらの方法であれば、財産を残すことが可能です。

ですが、この方法では今現在抱えている債務がゼロになることはありません。

減額することはできても、返済義務は残った状態のままとなります。

債権者との話し合いによって分割での支払いは可能となりますが、地道に返していかなければいけないんですね。

なお、任意整理と個人再生に関しては、返済能力が残された人のみ行える手段です。

自分が該当するのか不明な方は、債務整理に詳しい弁護士に相談してみてください。

まとめ

今回は、自己破産手続きで財産隠しをするとどうなるのかについてご紹介しました。

少しでも手元に財産を残したい気持ちはわかりますが、どんなに巧妙な手段を使ったとしても、財産隠しは必ずバレてしまうものです。

「財産を少しでも残したいが、返済能力が低い・・」

もしもあなたがこのように悩んでいるのなら、その悩みは専門家によるアドバイスによって、解消されるかもしれません。

まずは、債務整理を専門に取り扱う弁護士に相談し、どの方法が自分にとって最適であるかを把握するところからはじめましょう。